コラム
俺物語!(22)~造園卒業生相澤さんに聞く社会人の学び直し~
2025.05.12
造園緑地科の特徴として、社会人入学生が多いことがあります。
果たして、本校の内容は社会人にも満足していただけるのか・・・!?
造園緑地科卒業生の相澤由宏さんに教えてもらいました!
相澤 由宏(あいざわ よしひろ)
札幌市南区出身。酪農学園大学を卒業後、鹿児島の会社で21年間経理部門の仕事をしていた。当時の休日には海釣りを楽しんでいたので、北海道でも始めたいと思っている。
1.入学した経緯
亀:改めて、相澤さんが入学した経緯についてお聞かせください。
相:長く鹿児島で仕事をしてきて、1つはそろそろ故郷の北海道に帰りたいと思ったこと。
2つ目は、両親が健在なうちに近くで一緒に過ごす時間を持ちたいと思ったこと。
あとは大企業の経理部門で数字を扱う仕事を長年やってきたので、北海道では違う仕事がしたくなったのもありました。
亀:造園をやろうと思ったのは?
相:元々、自然が好きで、やっぱり自然に関わる仕事がしたい!という思いが強くあり、大学時代も環境について学んでいたので、原点回帰というか。
サラリーマンではなくて、元気であれば長く続けられる仕事をしたいなと。
亀:それで、本校のオンライン体験に申し込んでいただいたんですね。
相:はい、インターネットでこの学校を見つけました。
造園や森林のことを学べて、資格も取れるということがわかり、自分の希望に合致していたので話を聞いてみようと思いまして。
一番心配だったのは年齢的に仕事があるのかどうかだったのですが、先生から就職も心配ないと聞いて入学を決断することができました。
AO入学(書類審査のみ)があったことや、ハローワークの給付金(教育訓練給付金)も大きかったです。
2.想定していたよりも幅広い分野をしっかり学べた
亀:どんなことを期待して入学しましたか?
相:造園に関する知識と資格が得られるんだろうなと、漠然としていましたね。
亀:本校はそれに応えられましたか?
相:はい、この2年間どっぷり漬かって様々なことを学び、想像以上に充実していました。
造園だけでなく、森林系の勉強もあり、土木や測量のことを学べるのも良かったですし、一般教養や数学なども、ここで初めて知ることがあったり、やっているうちに思い出すこともあったり。
入学前に想定していたよりも幅広い分野をしっかり学ぶことができましたし、新しいことをどんどん学べるのは純粋に楽しかったです。
樹木の調査
レベルを覗いて地面の高低差を計測
3.資格取得スケジュールと勉強方法
三上校長から2級造園技能士の合格証書を授与
亀:2年間で取れる資格はほとんど取っていきましたね!
スケジュール感や勉強方法をぜひお教えください。
相:まず1年生の7・8月に3級造園技能士と3級園芸装飾技能士。
10・11月には2級土木施工管理技士(1次)と2級造園施工管理技士(1次)でした。
施工管理技士は放課後学校に残って先生に聞きつつ、クラスメイトと励まし合って頑張りました。
これらの試験で「これぐらいやれば合格できる」というさじ加減がわかったのは大きかったです。
社会人入学ならば、1年次に2級合格はマストだと考えます。
亀:1年次はこの4つでしたね。
相:2年生になると6月に2級建築施工(1次)、7月に1級土木施工(1次)、9月に1級造園施工(1次)があります。
これらは春休みから準備を始めておいて、5月末に学校の定期試験を終え、6月にまた勉強を再開しました。
試験に向けては先生方が手厚くサポートして下さり、心強かったです。
1級造園は土木と被っている所があるので、土木を先にやっていれば割とスムーズに入っていけます。
亀:8・9月には2級造園技能士と3級生物分類技能検定もありましたね。
相:生物分類は佐藤先生の授業と、幼い頃から身に付いている知識で解くことができました。
11月になるとまず2級ビオトープ施工管理士ですが、鈴木先生の授業と、今まで勉強した造園や森林の知識+αですんなり。
亀:造園緑地科は一部免除認定校になっているので、25問(通常の半分)だけ答えれば良いことになっています(PR)。
相:次に2級エクステリアプランナーの試験がありました。
これはあまり時間が取れなかったのですが、岩瀬先生に1週間くらいご指導いただき、時間内に図面を描く練習と、気を付けるポイントを理解して何とか合格することができました。
さらに、翌週は技術士(森林部門)の1次試験でした。
専門科目は学校の鈴木先生の授業でほぼ網羅できましたので、基礎科目は自分が自信を持って解答できる化学や生物の分野を重点的に勉強していました。
最後の1週間くらいで岩瀬先生に特訓してもらい、考え方や解答のコツを教わったのも大きかったです。
亀:11月は学校の定期試験もあるし、怒涛の試験月間でしたね。
相:もう、行けるとこまで行ってやろう!という気持ちで頑張りました(笑)。
亀:やっぱり社会人経験があると、働きながらだとここまで勉強できないことを知っているから、学生のうちにやれるだけやろう!っていう気持ちが違いますよね。
(もちろん、相澤さんのように全取りせずに、狙う資格を絞ってもOKです)
4.これからやりたいこと
顕微鏡で葉の病気や虫、酵母などを観察
亀:卒業後の進路は造園会社に決めましたね。
相:入学前は環境コンサルなども考えていましたが、将来的な視点で考えた時、資格を活かして大手造園会社でキャリアを積むのが良いのではないかと思いました。
造園会社で働きながら、樹木医や技術士、施工管理技士の2次、RCCMなどの資格取得も視野に経験を積んでいけたらと思っています。
いつかは自分で会社を立ち上げるのが目標です。
亀:どんな会社を考えているんですか?
相:緑だけじゃなくそこに住む生き物も含めて、自然と調和した緑地空間をつくるというか。
例えば公園やオフィスの中庭をつくるにしても、そこに鳥や虫などの生物が生息できる、豊かな自然を感じられる空間をつくりたいという思いがあります。
亀:何かきっかけがあったんですか?
相:やっぱり幼い頃の原体験ですかね。
近所の原っぱや小川、山・・・そこでクワガタやバッタを捕ったり、サンショウウオやニホンザリガニもいたり、桑の実やコクワの実を取って食べたり。
自分自身がどこかでそういう自然を求めているんですよね。
大げさに言えば自分にとって楽園のような場所だったんだと思います。
亀:私も子供の頃から住宅地には住んでいましたけど、昔はもっと草ボーボーの空き地とかがあって、よくそこで遊んでいました。
小川の橋の下に秘密基地を作って、ドジョウをすくったり、タニシを捕ったりしたし。
そういう自然体験に育ててもらったな~という気持ちはわかります。
相:今はそこも住宅地になってしまったり、もう子供達も山に入って遊んだりしないし、自然に触れられる場所が少ないなぁと感じていて。
人々が豊かな気持ちになるには、便利になった暮らしの中にも、自然を感じられることが大切だと思うんです。
まだ入口の入口ですが、将来的には人間の生活環境と調和した自然豊かな緑地空間をつくりたいと考えています。
実習は1・2年合同でやることも多く仲良し
亀:総括して、本校はお役に立てたでしょうか?
相:役に立ったどころじゃないです!
僕はこの学校に来て本当に良かった、正解だったと感じています。
1期上のWさん(60代女性)も言ってましたけど、学校生活が本当に楽しかったです。
亀:相澤さんみたいな方にそう言ってもらえて嬉しいです。
相:勉強や資格、就職だけでなく、クラスメイトとの絆や思い出も、全部が財産です。
2年あるから先輩・後輩もできるし、一緒に学んだ時間が心に残っていて、宝物のような2年間でした。
もしかしたら、もっと後になってこの価値がわかるかもしれないなぁと思っています。
亀:今後、みんなと仕事上で関わることが出てきたら面白いですね!
色々とお話しありがとうございました!
\ 社会人が使える給付金制度があります! /